つぶやきより少しだけ長い何か。

忘れたくない感覚の記録

休前日の有馬温泉。

兵庫県有馬温泉といえば、言わずとしれた神戸の奥座敷の名湯であり、大小様々な旅館が立ち並ぶ昔ながらの温泉街として有名である。

 

 

県外にお住まいの方には、有馬温泉は結構山奥にあるイメージかもしれないが、神戸市や西宮市に住んでいると、実際にはそこまで距離感は遠いものではない。どちらも市街地から20分も車を走らせれば温泉街に辿り着けてしまう。

 

むしろハードルが高いのは、宿のお値段の方だろう。有馬温泉の旅館はどこも高価な宿ばかりで、大人二人で宿泊しても最低で5,6万円超え、家族四人で泊まろうものなら十万をゆうに超えてしまう宿がほとんどで、何かの記念日でもない限り、なかなか気軽に泊まりに行こうという気にはなれない。

 

 

けれど、そんな有馬温泉の宿にお手頃な値段で泊まることができる裏技が1つある。それは、IT系の企業が加入していることが多い「関東ITソフトウェア健康保険組合」の保養施設制度を使うことだ。ITS健保の保養施設には「ホテルハーヴェスト有馬六彩」という、有馬温泉にある宿の中でもかなり新しくて綺麗な部類の宿が対象に含まれている。

 

 

ITS健保の保養施設制度では、宿泊予定の2ヶ月前に日付を指定して抽選を申し込む。当然、有馬温泉は大人気なので宿泊日を土曜日に指定すると、抽選が殺到してなかなか当たらない。けれど、宿泊日を金曜日や祝日の前日にしたときには、結構な確率で抽選が当選するのだ。

 

もちろん休前日は仕事も、子どもの学校もある。けれど、家から車で20分の距離の有馬温泉ならば、在宅ワークを定時で切り上げて、子どもの学校が終わってから車を走らせても、夕方から夜にかけての温泉街や、ホテル内でのアクティビティを充分に楽しめてしまう。

 

私たちは、夫婦ともにITS健保に加入していた時期があって、何度か、その「裏技」を使って、休前日の有馬温泉を家族四人で満喫していた。

 

子どもが学校から帰ったあと、ちゃちゃっと一泊分の荷物を鞄に詰めて出発し、ものの一時間も経たないうちにホテルに到着すると、眺めのよい広々としたロビーがわれわれを出迎えてくれる。この時点で、一週間の仕事が終わった開放感と非日常感でなんとも言えない気持ちになれる。

 

 

ホテルに着いてから夕ご飯まではしばらく時間があるので、浴衣に着替えて温泉街に繰り出したり、食事の前にひとっ風呂浴びてもよいのだが、私たちは水着を持参して、ホテルのプールで泳いで時間を過ごすことが多かった。(子どもって何であんなにプールが好きなんだろう。。)

 

ホテルの晩御飯は、和食かイタリアンかビュッフェかのいずれかから選択できた気がする。どれを選んでも、ちゃんと高級感のある雰囲気のレストランで、落ち着いて食事を頂ける。

 

 

美味しい食事を頂いたあとは、温泉街の過ごし方のお決まりといった感じで、ホテル内の温泉をじゅうぶんに堪能し、お部屋に戻って子どもを寝かしつけたあとは、道中で仕入れてきたお酒とおつまみでちょっと一杯嗜む。

 

家からほんの10数km移動しただけで、いつもの休前日が、ぜんぜん違った時間になるのが不思議な感じだ。

 

翌朝、朝風呂やホテルの朝ごはんを食べて、のんびりめに過ごした後は、まだ人気の少ない静かな温泉街の街並みを散歩することをよくした。

 

有馬の温泉街は、起伏に富んでいて細い路地も多く、そこかしこに面白そうなお店や気になる建物が立ち並んでいるので、散歩していてとても愉しい街だ。

 

 

もう少し時間があるなら、有馬玩具博物館で子ども達と木のオモチャ作りを楽しんでもいいし、

 

 

お店が開き出す時間帯になったら、有馬の有名なジェラート店「アリマ・ジェラテリア スタジオーネ」に並んで、おやつにジェラートを食べるのもいい感じだ。

 

 

そんな感じで、休前日と翌休日を有馬温泉でぜいたくな時間を過ごすことを楽しんでいた私たちだったが、しばらくして奥さんが転職してITS健保から抜けてしまったので、以前のように気軽に有馬温泉に宿泊する、ということができなくなってしまった。

 

けれど、仕事が終わってすぐに温泉街に辿り着いたときの開放感や、温泉街でのリラックスした時間を思い出すときが今でもたまにあるので、今度はぜひ仕事で出世して、いつか正規の値段で有馬温泉を満喫してやろうと思っている。

 

何はともあれ、ITS健保に入っていて兵庫県近辺にお住まいの方は、休前日に有馬温泉の保養施設の抽選を狙うのは、かなりアリなので、ぜひお試しあれ。。