丹波のチーズ王子。
奥さんは以前、食に関する仕事をしていたので食べ物への関心が高く、私たちは旅先で道の駅に立ち寄っては、現地の食べ物を手に入れて帰ってから食べる、ということをよくしている。
あるとき、丹波篠山に遊びに行った帰り、その一つ手前の丹波市の道の駅で、奥さんがまた気になるチラシを見つけてきた。この近くに、野菜いっぱいのお昼ごはんが食べられて、「チーズ王子」がチーズ作り体験をさせてくれる農園があるという。これは面白そうだとなり、後日日を改めて、訪れてみた。
農園につくと、まずは食堂で昼食をいただいた。農園で採りたての野菜を使ったおかずがたっぷり載ったワンプレートの定食と、農園のもう一つの目玉商品であるチーズを使ったデザート。どちらも新鮮で、素朴な味わいで、とてもおいしい。
続いて、農園の若旦那こと「チーズ王子」が登場し、モッツァレラチーズ作りを体験させていただく。材料にお湯を入れてかき混ぜると、ものの数十秒で材料はチーズに変わってゆく。できたてのモッツァレラは、思いの外よく伸びて、子どもたちも楽しそうだ。
チラシにあったプランはここまでなのだけど、この日は来客が少なかったからか、最後にチーズ王子が農園の牛舎や養鶏場を案内してくれた。
農園にいた仔牛は可愛かったし、鶏も人懐っこいのだけど、そうやって動物に触れ合っている私たちの横で、チーズ王子は「仔牛が生まれても、雄だと(乳を出さないから)すぐに処分してしまう」とか、「鶏も卵を産める期間はせいぜい3年位で、その後は...」など、畜産の現実の話を挟んでくる。
けれど、そういう部分も含めて食育なのだと思うし、子どもたちにとっても、それを学べるよい機会だったのではないかと思っている。
まだ、コロナ禍で予定が流動的だけど、この農園では夏には宿泊付きの農園体験もやっていて、わざわざお金を払って(?)農作業のお手伝いに参加することもできるらしい。開催された際には、ぜひ積極的にお金を払って、食べ物を頂くありがたさを、もっと深く体験したい。
そういえば、丹波のチーズ王子は、本当に王子だったのか、って?それは読者の方の想像にお任せしますが、私は「うん、確かに王子っぽい!」と思いましたよ。。