つぶやきより少しだけ長い何か。

忘れたくない感覚の記録

考古博物館と野菜のカフェ。

兵庫県は、面積が広くて、海から山、街から田舎まで特色あふれる街からなっていることもあって、美術館や博物館もバリエーションに富んだ施設が多く点在している。今日はその中から、最近行って良かったと印象に残った、播磨町にある考古博物館を紹介してみたい。

 

www.hyogo-koukohaku.jp

 

考古博物館のある播磨町は、県外の人には聞き馴染みがないかもしれないが、兵庫県の南部にある、明石市加古川市に囲まれた小さな町である。大阪方面から向かうには、阪神高速と接続している第二神明道路を通っていけばよいので、アクセスは良好である。

 

考古博物館は、その名の通り考古学をテーマにした博物館である。何でも兵庫県は遺跡の数が日本一の県らしく、その研究拠点として、播磨町にある大中遺跡の敷地内にこの博物館が建造されることとなったらしい。

 

考古博物館の常設展示も、博物館のテーマの通り、縄文~弥生時代から古墳時代までの生活様式や文化に関する展示が中心となっている。博物館の中では、ナウマンゾウの模型や、古墳時代の木造船が実物大で展示されており、なかなかに迫力がある。

 

 

この常設展示だけでも、子どもたちの興味を惹くのに充分充実した内容なのだが、この考古博物館は、古代の暮らしをテーマにした体験学習が幾つか用意されており、参加体験型の博物館として楽しめるのが特長になっている。

 

博物館の体験学習は、ネットから予約できる仕組みになっておらず、早めの時間に現地に訪れて申込みをする必要があるが、それほど混んでいる施設でもないので、開館から1,2時間以内に入場すれば、一通りの体験学習には参加できる。

 

われわれが訪れたときは、一日で、遺跡の発掘体験、火おこしの体験、石包丁づくりの三つの体験に参加することができた。

 

遺跡の発掘体験は、少し目の荒い砂場のような場所に埋め込まれた、土器や石器などの遺物を探す遊びで、小学生だけでなく保育園や幼稚園の小さなお子さんでも楽しめそうなアクティビティだ。

 

 

火おこしの体験では、施設の外にでて、指導員の方の手ほどきを受けながら、実際に道具を使って火を起こし、小さな種火を作るところまでを体験する。

 

 

火おこしの道具は、大人の私も、社会の教科書や資料で見ていて、だいたいこういうふうに使うもの、という理解はあったけれど、私は今の今まで、火おこしの道具の回転する軸になっている棒が直接燃えるものだと思っていた。

 

けれど、実際におこした火を種火にするまでを体験してみると、全然そうではなかったので、この体験は大人でも新しい発見があったという意味で、とても面白い体験であった。

 

 

石包丁づくりでは、子供でも加工しやすい滑石を砥石で少しづつ削って、長方形の形から半円形の包丁へと形作っていく。子どもたちは、できあがった石包丁を使って、早速外にある雑草を刈ってみたりして、古代の道具を使った農作業の疑似体験をしていた。

 

考古博物館で思う存分、古代の生活の体験学習を楽しんだ後のお昼ごはんは、博物館から車で十分ほど、稲美町という町にある、おしゃれなカフェ「NOCA」を訪れてみることをお勧めしたい。

 

 

「NOCA」は、稲美町のJAがやっている農作物の直売所「にじいろふぁ~みん」の敷地内にあるカフェで、直売所に併設されているだけあって、地産地消の食材をふんだんに使ったランチやデザートを頂くことができる。

 

 

NOCAは、この辺りではかなり人気のあるお店らしく、お昼時の時間帯には並んでいることが多いけど、こちらはネット予約ができるので、あらかじめ訪れる時間を決めて予約していくのがおすすめだ。

 

他にも、考古博物館のある播磨町は、明石市からも近いので、博物館に行った後は、新鮮な海鮮を求めて明石の街を歩いてみたり、「三ツ矢サイダー」などを製造しているアサヒ飲料の工場見学をセットにした日帰りプランを組んでみるのも楽しいだろう。

 

神戸の中心部を通りこえた「兵庫のちょっと西の方」のエリアにも、子どもと行って楽しいスポットがたくさんあるので、機会があればぜひ一度訪れてみてほしい。