つぶやきより少しだけ長い何か。

忘れたくない感覚の記録

はじめての食材たち。

誰かと結婚したとき、個人的に面白いなと思うことは、それまで別の過程を生きてきた二人が一緒に生活することで、お互いの文化が交換されて、混ざり合うことだ。

 

今の奥さんと二度目の結婚をしたときも、それまでの自分になかった新しい文化が沢山自分の中に取り入れられた。特に奥さんの場合、とりわけ影響が大きかったのは食に関することだ。

 

奥さんに晩ごはんを作ってもらうときや、道の駅で産直品の買い物をするとき、奥さんと結婚する前の人生では、一度も見たことも口にしたこともない、はじめての食材に何度となく出会ってきた(私の食べ物の知識がそもそも薄いというのもあるかもしれないけれど)。

 

この記事ではそれら「はじめての食材」のいくつかを採り上げてみたいと思う。

 

四角豆

そら豆のような色と大きさをしているけど、断面を見ると十字状にひだが伸びた形をしている野菜。インドネシアや沖縄など熱帯アジアでよく栽培されているものらしいが、道の駅やスーパーなどでも少量取り扱っているのを、たまに見かける。

 

 

見た目あまり豆っぽく見えないけど、天ぷらにしていただくと、しっかりと豆らしき食感があって、食べごたえがある上に、癖のない風味でとても美味しい。

 

 

根曲がり竹

竹といいながらも、チシマザザという笹の若竹で、信越や東北の地方でよく食するものらしい。形はまさに細長い子どもの竹といった感じで、食べるときには柔らかい部位が出てくるまで外側の皮をめくるので、可食部は結構少ない。

 

 

食べるときは、写真のほうにガスコンロのグリルでさっと焼いて、塩を振って食べてもコリコリした食感と、素朴な風味が楽しめるけれど、1cmくらいに切ったものを鯖と茹でて、味噌汁仕立てで食べるのが、長野流の食べ方らしい。

 

オカヒジキ

名前のとおりヒジキのほうな細い葉っぱを持つ野菜で、砂地に自生する植物らしいけど、こちらも道の駅などで栽培されたものが売られているのを、たまに目にする。

 

火を通して炒めると、ちょっとぬめり気のある食感になって、食べた感触は野菜というよりは海藻みたい。わが家では野菜炒めに入って出てくることもあるけど、トマトソースのパスタの具として出てくることも多い。

 

しろ菜

白菜と漬け菜を交配してできた野菜で、白菜の仲間だけど白菜のように球を作らない野菜。大阪野菜として知られていて関西ではよく出回っているものらしい。

 

食べるときは生では食べずに、火を通しておひたしや煮物にしたりして食べる。小松菜などの葉野菜と比べるとアクとクセがなく、とてもあっさりしていて上品な味に仕上がるのが、いかにも関西の野菜らしい。

 

他にもいろいろあった気がするけど、よくわが家の食卓に上って、ぱっと頭に思い浮かぶのはこのくらい。40年生きてきて食べたことがなかったものが、今ではこうして食生活の定番になっているなんて、やっぱり結婚ってオトクでありがたいなぁ、と奥さんへの感謝の意を新たにする、秋の夜なのであった。