学校がなくなったときに作っていたおやつ。
日本国内でコロナウイルスの感染が広がり始めた、2020年の2月の終わり、突然学校がなくなって、長い春休みがはじまった。
私は、たまたま会社が在宅ワークが可能だったおかげで、子どもがずっと家にいても何とか対応することができたけど、子どもが本来の教育を受けられない期間がいつまで続くのか、先行きは不安だった。
子どもが家に居ながらの仕事も、やはり割り込みが多くて普段よりやりづらく、子どもが時間を持て余していたときには、簡単なおやつを一緒に作って食べていた。
これはトースターで作ったクッキー。小麦粉とバターと砂糖を同じ分量だけポリ袋にいれて、練った生地をひと口分に切って、アルミホイルにのせてトースターで焼く、というレシピだった気がする。
マグカップで作れるプリンも作った。マグカップに砂糖大さじ1と水小さじ1を入れてレンジで1分加熱してカラメルを作った後、砂糖と卵と牛乳を泡たて器でかき混ぜたものをそこに流しこむ。そして、レンジで2分半ほど加熱する。こちらは当時知り合ったばかりの、奥さんのレシピだ。
できあがったおやつは、見た目はよくないけど、ちゃんと素朴にクッキーやプリンの味をしていて、コロナで不安な日々に、ほっと一息つく瞬間をくれた気がする。
それから2年近く経ってもまだ、世の中はオミクロン株の流行でてんやわんやで、学校も再び学級閉鎖になるクラスが増えてきた。思えば、コロナ禍や在宅ワークに慣れきってしまった今の方が、こういうちょっとしたおやつを作って食べる余裕をなくしてしまっているような気もする。
まだいつまで続くかわからないコロナ騒動だけど、「疲れたらちょっと甘いものでも食べましょ」の精神を思い出して、時にはゆるく、乗り切っていきたい。