旅の後のごちそう。

私も奥さんもお出かけ好き、というところでは共通しているけど、再婚してからは、お出かけのあとに、今までの私になかった新しい楽しみができた。それは、旅行から帰った後日、出先で買った食材をいただくことだ。

シングル親だったときの、息子と二人のドライブでは、道の駅や地元のスーパーは、トイレ休憩の場所でしかなかった。けど、今ではそういうところに寄ると決まって、その地元で有名だったり、そこにしかない食材を買って帰っている。

普段ご飯を作るときは私と奥さんの当番制だけど、そうやって持ち帰った食材を調理するときは奥さんの出番だ。奥さんは私より料理の経験がずっと豊富なので、私では持て余す食材をとても上手に調理してくれる。

そうして出てきた野菜やしいたけ、新鮮な魚介類とかは、やっぱり近くのスーパーで買ってきたものよりもずっと美味しい。もちろん、それらのおかずを旅先で見つけたお酒と合わせるのも、もう一つの楽しみだ。

そういえば昔、「美味しんぼ」で仕入れた知識に、ご馳走とは、美味しいものを探して駆け回って手に入れた食材を調理していただくことである、というのがあった。旅から帰ってきた数日後のわが家では、まさにそのとおりの意味のご馳走が食卓に並んでいる。